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当センターの歯科医師全員で共有しているポリシーがあります。
それと考え方が近い、面白いコラムを偶然にも見つけました。
朝日新聞の日曜版に「朝日求人」という、読んで字の如く求人情報なのですが、そこの「仕事力」というコーナーで、毎回、著名人が代わる代わるコラムを書いています。
過去面白かったものに元格闘家の須藤元気氏や、松井証券の松井道夫氏などのコラムがありました。
その中で、最も共感したのが、ミュージシャンの山下達郎氏のものです。
以下全文を引用します。きっと参考になると思いますよ。
「職人でいる覚悟」 山下達郎が語る仕事-3
作り手は学習を続けよ
魂の叫びだけで
100曲は書けない
音楽の世界では、大きく二つの働き方があります。作品を自ら作り表現する側、作り手を助けることでビジネスをする側。作り手を目指すといっても、ロックンロールの場合、ギターコードを三つ知っていれば曲が作れてしまう。でもその程度では100曲は書けません。自分の魂の叫びがいくら強くても、すぐに限界が来るのは冷徹な事実です。音楽表現を長く続けていくためには、継続的な訓練と学習が必要なのです。
この世界は見切りが早く、3年くらいやって芽が出ないと簡単に切り捨てられてしまう。レコード会社の責任もありますが、プロとしてお金を稼ぐというのはどういうことか、趣味でやるのと何が違うのか、若い時から考えなくてはいけないと思う。「俺はいい曲を書ける天才だ」といくら言ってみても、それにお金を払ってくれる人がなければ自称にすぎない。逆に500円でも千円でもギャラをもらえば、金額に関係なくプロフェッショナルの責任と権利が生じてくる。
「夢は必ずかなう」という言葉が独り歩きしている時代ですが、僕は「夢はかなわない確率のほうがずっと高い」と思う人間です。ですから、懸命に努力し、その結果夢がかなわなかった時にはどうするのか、それをも想定して仕事をするべきではないか。「夢」は魅力的で力があるけれど、あくまで結果であって、夢を最初から暴走させてはいけないのです。
技術変化の波も
泳がなくてはならない
僕がまだ若かった1980年代中期、押し寄せてきたオーディオ機器のデジタル化に翻弄(ほんろう)され、腹を立てていました。アナログメディアの限界による変化ではなく、メーカーが頭打ちになった需要を回復するために、レコードからCDへとデジタル化を推し進めていった結果、制作行程を根本的に変えなければならず、またその未完成さに作り手は振り回されました。
だからといって、いつまでも文句を言っているわけにもいかない。なぜならポピュラーミュージックというものは時代とともに生きている音楽だからです。僕は職人の魂で仕事をしたいと思いますが、自分の昔の価値観や経験則にこだわり過ぎるとたちまち時代に取り残される。それを避けるためには必死に自己変革や学習を続けるしかないのです。
以前のような響きが出なくなったとか、ちょっとしたニュアンスが得られないとか、その結果、こうしたらどうか、ああすればどうかと「たられば」の鬼になってしまった時代もありましたが、でもそうやって迷ったことに後悔はありません。自分の音楽性さえぶれていなければ、必ず改善できる。大切なのは音楽の作り手として何が重要か、自分はこれでいいのかという自問でしょうね。勢いと熱だけでは続かないのが仕事です。夢を抱きながらも、冷静さも併せ持って欲しいと思います。(談)
(2011年8月21日掲載 asahi.comより引用)
固定観念から自由でありたい<松井道夫が語る仕事・2>
心に、商人の前掛けをかける
ビジネスマンは
商売人である
スーツを着てネクタイを締め空調のきいたオフィスで仕事を続けていると、自分が商人であることを忘れていく人が多い。給料をもらっているから、働いていると勘違いをするのです。しかしそれは違う。働いているから、それに対して報酬が支払われているのです。今日自分がする仕事で、どれだけお客様を満足させ、自分の給料を稼ぎ出せるか考えるべきでしょう。
商人としての自覚を忘れると、工夫するための頭も心も動かなくなり、気づかないうちに権威主義、形式主義に陥っていく。やがて変化が怖くなり、挑戦することが恐ろしくなっていくのです。人も企業も同じです。
よく、利益は出ていないけれども価値の高いことをやっているんだと言う人がいる。しかし価値のあることなら必ず利益がついてくる。それが競争市場というものです。もし手がけている商売の業績がふるわないなら、お客様から価値がないよと言われているだけ。そこを直視せずに逃げているのです。
商人の目的は利益を上げること。利益の多寡はお客様が決める。消費者には多くの選択肢があるし、お金を払う立場なのですから、好きなときに好きな商品を自由に選びます。一度選んでもらっても、翌日には別のほうが良いと言って離れていく。だから、どうやって常にその人のナンバーワンであり続けられるかにかかっているのです。
実業をめざし
虚業を排する
ともすれば、社会に役立つ事業を実業、役立たない事業を虚業と区別しがちです。それでは誰がそれを判断するのでしょう。私は私なりの別の定義を持っています。
実業……顧客が必要と認めるコストで成り立っている業
虚業……顧客が必要と認めないコストで成り立っている業
供給側の企業が実業か虚業かを、需要側の顧客が消費というフィルターを通して区分けするわけです。非競争市場ではこの区分けが出来ません。こうした競争なき市場で生きている者から、前述の社会正義うんぬんの言葉を聞きます。競争市場で生き抜くためには、虚業コストを排除することがポイントです。これをリストラと言うのです。
これは情報革命が起きたことによります。その本質は何かと言えば、すべては「個」が中心になったという点に尽きる。自ら判断し行動する「個」のネットワークが中心となる。もうこの流れを無視してビジネスは考えられなくなりました。
私は「天動説から地動説へ」と言っていますが、今まで供給側の企業主導で「個」を囲い込んでいた宇宙観が、通用しなくなった。何百万、何千万という需要側の「個」が中心となり、逆に企業を取り込むという宇宙観。まさにコペルニクス的転回なくして商売が出来なくなったと理解しています。
となれば、組織の構成員たる個々の商人の発想も変えねばならないのは当然です。すなわち、「個」を囲い込むという発想を脱し、「個」から選ばれるという発想をしなければならないわけです。
企業に勤めていても、あなたは商人です。自分のお客様を思い浮かべ、その人は何を求めているのか、自分が消費者なら何が欲しいのか。そうした商品やサービスを考え出して初めて商人としての義務が果たせられるのです。(談)
(2004年6月13日掲載 asahi.comより引用)
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